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はじめに(目次) [はじめに(目次)]

このブログでは、古今東西の神秘主義思想を紹介します。

神秘主義思想は、哲学、神学、宗教、神話、自然科学、現代では心理学などの領域に渡ります。
宗教としては、秘教、密教…、学としては、神秘学、神智学、星辰学、オカルティズム、霊学…、実践としては、瞑想、観照、ヨガ、秘儀、魔術、降神術、錬金術、煉丹術…などと呼ばれてきた領域です。

神秘主義的な哲学は「神智学(セオソフィー)」とも呼ばれます。
このブログでは、「神智学」という言葉を多用し、哲学的・概念的に表現された思想だけではなくて、象徴的イメージや神話として表現された思想も含めて考えます。
これは時代や地域を超えた普遍性を持っているので、「永遠の哲学」と呼ばれることもあります。

序文の後半、注意書きは、目次の後に続きます


==目次==

目次内リンク >古代 >ヘレニズム・ローマ
 >イスラム >インド >中国
 >中・近世ヨーロッパ >近代 >現代 >日本


◆◆◆序:神智学とは◆◆◆◆◆◆

神秘主義とは  ・3つの表現スタイル
象徴と象徴体系
神智学とは(ソフィアとロゴス)
神話・宇宙論・哲学からの神智学の誕生


◆◆◆
通論◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

神秘主義哲学の階層論  ・悪と堕落の捉え方
創造と進化と帰還  ・瞑想修行法と実践
象徴体系のシステム比較  ・インドと中国の霊的身体論の比較


◆◆◆古代編◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 

◇◇創造神話と古代神智学◇◇◇◇

創造神話の神智学化  ・宇宙開闢神話の構造
天地創造神話の構造  ・エジプトの創造神話
メソポタミアの創造神話  ・ギリシャの創造神話
インド・ヨーロッパ語族のパンテオン
インド・ヴェーダの創造神話
インド・ヒンドゥー教の創造神話
イラン・ペルシャの創造神話

◇◇バビロニアの宇宙論とペルシャの救済神話◇◇◇◇

占星学的宇宙論と神々
マズダ教 vs ミスラ教
ゾロアスター教の宇宙論(時間)と神話
ゾロアスター教の宇宙論(空間)とパンテオン
ズルワン主義の潮流   ● ズルワンと三位一体
ズルワン主義の宇宙論  ● ミトラの顕現と救済論

◇◇古代ギリシャの秘儀宗教と神秘哲学◇◇◇◇

 <秘儀宗教>
秘儀宗教とは  ・エレウシス秘儀
ディオニュソス(バッコス)秘儀
オルフェウス秘儀

 <ソクラテス以前>
ソクラテス以前の哲学
至高存在と根源の探究(タレス~アナクサゴラス)
生滅する宇宙(アナクシマンドロス、ヘラクレイスト)
ピタゴラス教団の輪廻思想
エンペドクレスによる統合

 <プラトン・アリストテレス>
中期プラトンの神秘主義哲学
プラトンの不文の教説とピタゴラス主義
プラトンの宇宙論
アトランティス伝説とオリエント神話
後期プラトンの観念哲学  ・アリストテレス神学
プラトン、アリストテレスの影響

◇◇ヘレニズム~ローマ期◇◇◇◇

<ヘレニズム・ローマの諸思想>
ヘレニズムの宇宙論
イシス秘儀とセラピス秘儀
7光線占星学理論とマグサイオイ文書
ミトラス秘儀と12星座神話  ・ストア派
アルビノスと中期プラトン主義
ヘルメス主義(ポイマンドーレス、アスクレピオス)
ゾシモスとアレキサンドリア錬金術  
「カルデア人の神託」  ● マニ教

<グノーシス主義>
グノーシス主義の思想  ・グノーシス主義の潮流と諸派
「ヨハネのアポクリュフォン」
プトレマイオス派グノーシス主義
「ゾーストリアノス」と「マルサネース」

 <新プラトン主義>
新プラトン主義
プロティノスの一者と階層  ● プロティノスの流出と帰還
イアンブリコスと降神術
プロクロスの階層と系列  ・プロクロスの三性と帰還

◇◇古代ユダヤ&キリスト教◇◇◇◇

 <ユダヤ教>
エジプトのアマルナ革命とユダヤ教の起源
ユダヤ教のヘレニズム化と女神信仰
メルカーバー神秘主義
「セフェル・イエッツラー」とセフィロート神秘主義

 <キリスト教>
イエスの思想とキリスト教神話 ・秘儀宗教としてのキリスト教
パウロとヨハネの神秘主義  ・キリスト教の三位一体説と異端説
ギリシャ正教のヘシュカズム  ・教父哲学と神の闇
偽ディオニシオスと天使の位階


◆◆◆古代~中世東洋編◆◆◆◆◆◆◆◆◆

◇◇イスラム教◇◇◇◇

古代思想の継承と東西交流

 <シーア派、イスマーイール派>
ムハンマドの夜の旅
シーア派とイマーム
シーア派のミスラ神話(ミール派イスラム)
12イマーム派と隠れイマーム
イスマーイール派の流れ
初期イスマーイール派の神話
スーパーシーア派とヤザダ教7大天使論
イスマーイール派神話の哲学化
イスマーイール西方派の救済神話

 <スーフィズム>
スーフィズム(ハッラージとバスターミー)
スーフィズムと意識の階梯
スーフィズムの秘密言語と象徴

 <イスラム哲学>
理性と信仰の対立
イスラム哲学とイブン・スィーナー
スフラワルディーの照明学
イブン・アラビーの存在一性論
ジャービルとアラビア錬金術

◇◇古代インド◇◇◇◇

古代から中世へ  ・オリエント・イランの影響

 <バラモン教>
古ウパニシャッド
サーンキヤ哲学
ヴェーダーンタ哲学(バルトリハリとシャンカラ)
パタンジャリの「ヨガ・スートラ」

 <ヒンドゥー教>
ヒンドゥー教の宇宙論:存在の階層
「ヴィシュヌ・プラーナ」の宇宙論:空間と第一次創造
「ヴィシュヌ・プラーナ」の宇宙論:時間と第二次創造

 <仏教>
仏教の流れと神秘主義  ・釈迦の思想と「スッタ・ニパータ4-5章」
部派仏教のアビダルマ哲学
南方上座部とブッダゴーサの「清浄道論」
説一切有部とヴァスヴァンドゥの「倶舎論」
大乗仏教の誕生  ・如来蔵思想
大乗仏教の仏陀観と真理観
中観派と般若学  ・瑜伽行唯識派

◇◇中世インドとその周辺◇◇◇◇

タントラ(ヴァジュラヤーナ、密教)の思想
タントラの身体論(クンダリニー、ビンドゥ、アムリタ)

 <ヒンドゥー教系>
ヴィシュヌ教、シヴァ教、シャクティ教
ヴィシュヌ教パーンチャラートラ派
シヴァ教 聖典シヴァ派  ・シヴァ教カシミール派
シャクティ教シュリー・クラ派の宇宙論
シャクティ教シュリー・クラ派の儀礼と行法
タミルの18人のシッダの伝統
「ハタ・ヨガ・プラディーピカー」(ナータ派のハタ・ヨガ)
「シヴァ・サンヒター」(シャクティ教のクリヤ・ヨガ)
「ゲーランダ・サンヒター」(ヴィシュヌ教のガタ・ヨガ)

 <仏教系>
密教(タントラ仏教)の発展段階
金剛乗と「金剛頂経」(ヴァジュラ・ヤーナ)
無上ヨガ・タントラの思想と潮流
無上ヨガ・タントラの生起次第
無上ヨガ・タントラの究竟次第
「秘密集会タントラ」の思想
「秘密集会タントラ」の二次第
「チャクラサンヴァラ・タントラ」の思想
「チャクラサンヴァラ・タントラ」の究竟次第
「カーラチャクラ・タントラ」と終末論
「カーラチャクラ・タントラ」の思想
「カーラチャクラ・タントラ」の二次第
ゾクチェン 

 <その他>
イスマーイール・パミール派
シク教(カビールとナーナク)

◇◇中国◇◇◇◇

 <道教・儒教系>
「老子」と「荘子」(道家思想の成立)
「繋辞伝」と「淮南子」(漢代の道家思想)
玄学(南北朝時代の道家思想)
陰陽五行説と鄒衍
道教の成立(三天説と三尊説)
「抱朴子」と葛氏道と煉丹術
上清派と存思法
天師道(道教の確立)  ・全真道(北宗と南宗)
宋学と程伊川  ・気の身体論
内丹の思想  ・内丹の歴史
鍾呂派の内丹法  ・南宗・北宋の内丹法

 <仏教系・その他>
格義仏教  ・「大乗起信論」
智顗と天台教学  ・法蔵と華厳教学
中国禅の流れ1(北宗禅から南宗禅へ
中国禅の流れ2(唐代禅から宋代禅へ)
中国のミトラ教(明教・白蓮教)

◆◆◆中世・近世編◆◆◆◆◆◆◆◆◆

◇◇中世のユダヤ&キリスト教◇◇◇◇

 <キリスト教>
マグダラのマリア派とカタリ派
テンプル騎士団と聖杯伝説
ヒルデガルトと女性の神性
3つのプレ・ルネサンス
スコトス・エリウゲナ
スコラ学を捨てたトマス・アクィナス
エックハルトと自由心霊派
ラビアのテレサと十字架のヨハネ
グレゴリオス・パラマスのヘシュカズム

 <ユダヤ教>
中世ユダヤ神秘主義、カバラの潮流
バーヒルと盲人イサク(フランス・カバラ)
「イユーン」「ゾーハル」「テムナー」(スペイン・カバラ)
コルドヴェロとルーリア(パレスチナ・カバラ)
エン・ソフと生命の樹(神智学的カバラ)
アブラハム・アブラフィア(預言カバラ)

◇◇ルネサンス~近世ヨーロッパ◇◇◇◇

<ルネサンス>
ルネサンスと古代神学
フィチーノの新々プラトン主義
フィチーノの魔術的ヘルメス主義
ピコ・デラ・ミランドラのキリスト教カバラ
アグリッパによる魔術の体系化
中世~ルネサンス期の錬金術
パルケラススと錬金術
ブルーノのエジプト魔術的ヘルメス主義
ブルーノによる魔術の内面化
ジョン・ディーとエノキアン・タブレット
ヤコブ・ベーメ
薔薇十字宣言とアンドレーエ
薔薇十字啓蒙運動

<近世>
スウェデンボルグの神論と宇宙論
スウェデンボルグの救済論と歴史観 
ドイツ観念論と知的直観
シェリングの無底と神話
ノヴァーリスの魔術的観念論
パスカリとサン・マルタン(マルティニズム)
ファーブル・ドリヴェの哲学的人類史


◆◆◆近代・現代編◆◆◆◆◆◆◆◆◆

◇◇近代◇◇◇◇

<近代神智学>
ブラヴァツキー夫人と神智学協会の歴史
神智学協会アディヤール派と分派の歴史
「シークレット・ドクトリン」の宇宙発生論と宇宙の階層
「シークレット・ドクトリン」における人間の本質と階層
「シークレット・ドクトリン」の生命発生論と地球進化系
「シークレット・ドクトリン」の人類発生論と堕天神話
7光線理論と秘教占星学(アリス・ベイリー、他)
ハイアラーキーとイニシエーション(ベイリーとリードービーター)
神智学の思想の背景と本質

<人智学>
ルドルフ・シュタイナーの生涯と人智学
人間の9本質と霊界の階層構造
薔薇十字の修行法とイニシエーションの階梯
宇宙進化論1(惑星紀)
宇宙進化論2(根幹人種期と文化期)
キリスト論とイエス論
悪魔と天使(ルツィフェル、アーリマン、ミカエル)
霊学自由大学の秘教講義

<魔術関係>
エリファス・レヴィとフランス・オカルト復興
イギリス・オカルト復興と黄金の夜明け団
黄金の夜明け団の歴史1(設立と改革)
黄金の夜明け団の歴史2(分裂と公開)
黄金の夜明け団の位階システム(入門儀式、カリキュラム)
黄金の夜明け団の教義
黄金の夜明け団の魔術と技法
黄金の夜明け団のエノク魔術
フォーチュン、リガルディーとその弟子たち
クロウリーとOTOの歴史
クロウリーの魔術思想、テレマ
オースティン・スペアのキアイズム
ピート・キャロルの混沌魔術

<エラノス会議系>
エラノス会議と東西霊性の統一理解
ユングのミトラス秘儀参入
分析心理学という民族宗教運動
ユングの理論と問題点(個性化と能動的創造力、元型)
ユングと西洋宗教の解釈(キリスト教、グノーシス主義、錬金術)
ユングと東洋秘教の曲解(道教、仏教、インド哲学)
アンリ・コルバンの想像的世界と創造的想像力
井筒俊彦の東洋哲学1(コトバと言語アラヤ識)
井筒俊彦の東洋哲学2(類型と意識の構造)

<その他>
グルジェフの生涯と思想
グルジェフの宇宙論と人間論
グルジェフのワークとムーヴメンツ
アンリ・ベルクソンと神秘主義
カントールの無限論と数理神学

<インド>
ラーマ・クリシュナのカーリー女神信仰
ヴィヴェーカーナンダの普遍宗教
オーロビンド・ゴーシュのインテグラル・ヨガ
ラマナ・マハルシの真我探求
マハー・アヴァター・ババジの弟子達
スリ・ユクテスワとパラマハンサ・ヨガナンダの思想
ラヒリ・マハサヤのクリヤ・ヨガ
クリシュナムルティの反伝統主義
現代ヨガ(アイアンガーとパタビ・ジョイス)

◇◇現代◇◇◇◇

<ニューエイジ系>
ニューエイジの背景(ビートニク、ヒッピー、サイケデリック)
ニューエイジのネオ・オリエンタリズム、ネオ・シャーマニズム
トランス・パーソナル心理学
ニュー・サイエンス
ケン・ウィルバーのアートマン・プロジェクト

<ネオ・シャーマニズム系>
ネオ・シャーマニズムの特徴・類型・技法
マイケル・ハーナーのコア・シャーマニズム
カルロス・カスタネダとドン・ファン・シリーズ
カスタネダのドン・ファン・シリーズの思想
ドン・ミゲル・ルイスのトルテック(メキシコ)
アルベルト・ヴィロルドのワン・スピリット・メディスン(南米)
サージ・カヒリ・キングのフナ(ハワイ)

<その他>
ジル・ドゥルーズと神秘主義
ユージン・ジェンドリンのフォーカシング
アーノルド・ミンデルのプロセス指向心理学
プロセス指向心理療法のワーク
欧米新仏教とインド新仏教
現代物理・現代数学と神秘主義のアナロジー1(量子論・量子重力理論・絶対数学)
現代物理・現代数学と神秘主義のアナロジー2(現代宇宙論・圏論・諸学の統一)


◆◆◆日本編◆◆◆◆◆◆◆◆◆

◇◇日本◇◇◇◇

<古代>
陰陽道
空海の歩みと山岳仏教・神仏習合の潮流
真言乗と真言宗  ● 空海の思想

<中世:仏教系>
修験道の柱源法流と慧印法流 
天台本覚思想と玄旨帰命壇と星辰の秘法
暗黒と愛欲と異形の天部達
親鸞の自然法爾
道元の只管打坐と身心脱落  ・道元の非思量と現成公案
正法眼蔵の七十五巻本と十二巻本

<中世:神道系・その他>
本地垂迹説と三輪流神道  ・伊勢神道(渡会神道)
猿楽と荒神と黒い翁  ・金春禅竹の翁論と六輪一露説
吉田兼倶の唯一神道  

<近世~近代:古神道・霊学など>
平田篤胤と久延彦祭式
本田親徳の霊学と一霊四魂説  ・本田親徳と鎮魂帰神法
山口志道と中村孝道の言霊学
大石凝真素美の言霊学と天津金木学
神仙道の潮流  ・宮地神仙道
川面凡児の霊魂観  ・川面凡児の禊・鎮魂行法
折口信夫の産霊信仰と鎮魂法
折口信夫の「死者の書」と神道の宗教化

<近世~近代:出口王仁三郎と大本教>
出口王仁三郎と大本の歴史1(厳/瑞の二霊統)
出口王仁三郎と大本の歴史2(伊都能売の霊統) 
大本の宇宙生成神話  ・大本の隠退・贖罪神話
出口王仁三郎の思想と大本霊学

<近世~近代:仏教など>
白隠慧鶴の公案体系  
鈴木大拙の東方仏教と神秘主義
鈴木大拙の日本的霊性と即非の論理
西田幾太郎の絶対無の哲学

<現代>
井筒俊彦の東洋哲学1(コトバと言語アラヤ識)
井筒俊彦の東洋哲学2(類型と意識の構造)
中沢新一のゾクチェンとポスト構造主義
中沢新一の流動的知性とレンマ的知性

<通史>
日本の弥勒信仰(弥勒菩薩と弥勒神)


<序文の続き>

1つの重要なテーマとしては、古代のオリエントに発して東西の文化交流によって発展した流れに注目しています。
古代の文化の中心地は、世界最初の都市文明を築いたメソポタミアと、世界最初の大帝国を築いたペルシャです。
ですから、大局的に見ると、この地方を中心にして東西に神智学が伝わっていったと推測できます。
そして、神智学の大枠での主な最終形は、西洋世界ではブラバツキー夫人やシュタイナー、イスラム世界ではイスマーイール・タイイブ派やスフラワルディー、インド世界ではカーラチャクラ・タントラなどでしょう。

神秘主義思想には普遍的な意味、価値がありますが、個々の思想の現代的な意味については、様々な解釈が可能です。
例えば、古代から神話を哲学的、学問的に解釈することが行われてきました。
現代では、逆に、神秘哲学や神智学を、神話のように扱って解釈することも必要でしょう。
ただ、解釈の高度な次元では、解釈は不要になるというのが、神秘主義思想の特長でもあります。


*最初の方の文章は、30年ほど前の若い頃にメモ的に書いた文章だったりしますので、

 随時、書き換えたりもします。

*幅広い領域について書いていますので、テーマによって浅いものがあることは、お許しください。

*参考文献をお知りになりたい方はご連絡ください。

*コメントをいただいても気づかなかったり、お返事が遅くなる、お返事できないこともありますので、
 ご了承ください。

*姉妹ブログ本「神話と秘儀」「世界の瞑想法」「仏教の修行体系」「夢見の技術」「シャーマンと伝統文化の智恵の道」、「MROFOハブ・サイト」もご参照ください。


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