ラヒリ・マハサヤのクリヤ・ヨガ [近・現代インド]


このページでは、ラヒリ・マハサヤが説いた「クリヤ・ヨガ」の具体的な方法についてまとめます。
また、これとは異なる方法を説くパラマハンサ・ハリハラナンダの方法についても付加します。

神人ババジによって伝授されたという伝説のもとに、ラヒリ・マハサヤが始めた「クリヤ・ヨガ」は、ハタ・ヨガの近現代における新しい運動と言えるでしょう。

インドでは、「クリヤ・ヨガ」という言葉は様々な意味で使われますが、一般に、シヴァ教系で「ハタ・ヨガ」を意味して使いますので、ババジ、ラヒリの「クリヤ・ヨガ」も、ここからきているのでしょう。

ババジ、ラヒリの「クリヤ・ヨガ」には、古典的なハタ・ヨガ系経典には書かれていない方法がいくつもあります。


<クリヤ・ヨガとは>

クリヤ・ヨガについて、ラヒリの孫弟子であるプラマハンサ・ヨガナンダは、「あるヨギの自叙伝」で、ババジが再発見した古代の方法であり、かつて、クリシュナがアルジョナに伝えたものであり、パタンジャリや、イエス、ヨハネ、パウロに知られたものと同じ科学であると書いています。

同書には、SRF出版部記として、「各個人が神を直接体験する方法を身につけることは、緊急の必要事とされている」、とも書かれています。

今日の我々から見れば、「クリヤ・ヨガ」は、単にテクニカルな「ハタ・ヨガ」なのですが、「ハタ・ヨガ」もクンダリニーもまだ知られていなかった時代に、西洋に紹介するに当たって、このような一種の神秘化、権威化がなされたのでしょう。

ヨガナンダによれば、クリヤ・ヨガは、人間の進化を急速に促進させるものであって、「飛行機による旅」に喩えられます。
そして、クリヤ・ヨガを行うことによって、過去のカルマに影響されず、死を克服することができるようになります。


<クリヤ・ヨガの準備とチャクラ>

ヨガナンダの組織SRFが説いているクリヤ・ヨガは、非公開を徹底しているため、その具体的な方法は分かりません。

また、SRFのクリヤ・ヨガは、当時の西洋人に向けたもので、ラヒリのクリヤ・ヨガをそのまま教えていない、特に第2クリヤはまったく異なるようです。

SRFのクリヤ・ヨガの実践者は多数いますので、中には漏らす人もいますし、SRF以外のラヒリ系のクリヤ・ヨガの実践者でそれを語る人もいます。

Ennio Nimisは、複数の系統を調査してHP上で公開していますので、その「Kriya Yoga: synthesis of a personal experience」(pdf)をもとに、ラヒリ流のクリヤ・ヨガについて、簡単に紹介します。
*参照 http://www.kriyayogainfo.net/

以下、間違いがあるかもしれませんし、あくまでもアバウトでこんな感じ、というふうに受け取ってください。
一般的に知られているハタ・ヨガのムドラーなどの言葉については、説明しません。

ハタ・ヨガ系の経典に書かれた方法に比較したクリヤ・ヨガの特徴は、クンダリニー覚醒のために、マントラを唱えて各チャクラを刺激する様々な方法(ソカーなど)を行いながらプラーナを移動させることでしょう。
また、脊髄(スシュムナー)に沿った経路以外の様々な経路(体外の経路、トリバンガムラリなど)を使うことです。


まず、クリヤ・ヨガの前に、次のような準備的な運動、瞑想を行います。
Ennio Nimisは、この前行は説明していませんが。

・エネルギー活性化エクササイズ
・ホーン・ソー・テクニック
・オーム・テクニック

「エネルギー活性化エクササイズ」は、体をリラックスさせる一種の体操です。
https://www.youtube.com/watch?v=W4iu8MB2Qeo

「ホーン・ソー・テクニック」は、呼吸に意識を集中し、入息で「ホーン」と無音で唱え、出息で「ソー」と唱えながら、呼吸が静まるのを観察する方法です。
一般に、「ソー・ハム」瞑想といわれる方法と、唱え方が逆です。
「ソー・ハム」は、「私はそれ(ブラフマン)」という意味です。

この時、眉間に意識を合わせて、入息の時に意識を眉間の表面から頭の深部に移動させ、出息の時にまた表面に戻します。

「オーム・テクニック」は、各チャクラを意識してオームを唱えながら、体内の内的な音を聞きます。
呼吸に合わせて、ムーラダーラから上昇、下降するのでしょう。

以下、基本的に、マントラはヴィージャ・マントラで、無発声で唱えます。

クリヤ・ヨガでは、チャクラは基本としては、6つを数えます。
頭頂のサハスラーラ(フォンタネル)は、チャクラと見なさないことが多いようです。
ですが、ハリハラナンダのクリヤ・ヨガでは、約30㎝頭上の第8チャクラ(ブラフマロカ)も重視します。

また、第6チャクラの周辺の領域に関しては、眉間表面のブルマディア、やや奥に入った部分、あるいは、頭中心部の下垂体・松果体のアジニャー・チャクラ、後頭下部の延髄(メドゥーラ)、後頭上部のビンドゥ・ヴィサルガ、をそれぞれに重視します。

ケーチャリー・ムドラーが刺激するのは下垂体です。

眉間は、霊視を行うクタシュタの場所です。
クリヤ・ヨガでは、霊視を重視しますが、例えば、眉間のチャクラのキリスト意識に集中すると、金色の光の環に囲まれた、青い円形の空間の中心で脈動する、五つの閃光を放つ白い星が視えます。

また、ハリハラナンダのクリヤ・ヨガでは、左耳上部のロウドリ、右耳上部のバマも重視します。


fig1.jpg
*上記サイトの「Kriya Yoga: synthesis of a personal experience」(pdf)よりページの一部をキャプチャーで引用(以下同様)


<クリヤ・ヨガの本行>

クリヤ・ヨガの本行は大きく4段階で構成され、それぞれにイニシエーションがあります。

最初の段階(第1クリヤ)では、独特のプラーナヤーマを行います。

第2段階(第1クリヤ)では、いくつかのムドラーと、「ナヴィ・クリヤ」などを行います。

第3段階(第2-4クリヤ)では、「ソカー・クリヤ」と呼ばれる行法を行います。
これは、心臓のチャクラを中心に、各チャクラにプラーナを送ってマントラを唱えつつ、チャクラを活性化(解く)し、その内なる光と音を感じる方法です。
チャクラを解くというのは密教と共通する考え方です。

第4段階(第5-6クリヤ)では、「トリバンガムラリ」という経路を使って、すべてのチャクラに対してソカーを行います。


第1段階の「クリヤ・プラーナヤーマ」は、眉間に意識を置き(シャンバヴィ・ムドラー)、入息時には、ムーラダーラから延髄(あるいは、ビンドウ・ヴィサルガ)までの各チャクラで、順次に上昇して、オームを内的に唱え、出息時には、逆にムーラダーラに下降します。
これによって、脊髄に沿ったエネルギーの移動を感じるようにします。

プラーナヤーマによって、プラーナとアパーナを融合させ、また、イダとピンガラを十分に開通して、スシュムナーにもプラーナを通します。


第2段階では、マハー・ムドラ―(トリバンダを含む)、ヨーニ・ムドラー(ジョティ・ムドラー)、ケーチャリー・ムドラー(その前段階としての「タラビヤ・クリヤ」)、「ナヴィ・クリヤ」を行います。

「ナヴィ・クリヤ」は、マニプラでオームを唱える方法ですが、腹部を親指で押したり、頭部からマニプラまでの前後左右の体外の経路を通って、エネルギーを降ろしたりします。

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第3段階の第2クリヤから第4クリヤまでは、「ソカー・クリヤ」と総称される方法です。

第2クリヤは、左右の肺の上部(肩の下部)に意識を置き、左肺上部から心臓にエネルギーを導きます。
そして、ムーラダーラに降ろして、マハーヴェーダ・ムドラーを行います。

次に、入息と共に、各チャクラでマントラを唱えつつ、ムーラダーラから頭部まで上昇させます。
この時、ウディヤーナ・バンダを伴います。
そして、右肺上部、左肺上部、心臓と順に意識を移動させてマントラを唱え、心臓のチャクラを刺激します。


第3クリヤは高度なソカーで、上記の右肺上部、左肺上部、心臓部でマントラと唱えることを、頭を傾ける動きを伴って行います。
保息状態でこれを続けて、光の輝きが増すのを視ます。


第4クリヤは完成のソカーで、第3クリヤで心臓のチャクラでマントラと唱えた後、順にムーラダーラまで下って、各チャクラでマントラを唱えます。
次に、出息して、再入息時に、意識を脊髄に入れて、頭部まで上昇させます。

fig9.jpg

また、補助的な技法として、ガヤトリー・マントラを使った「ガヤトリー・クリヤ」があります。
これは、ムーラダーラを意識してマントラを唱え、眉間に移動し、ケーチャリー・ムドラーで眉間に満月のような光を視ます。
順に各チャクラでマントラ(OM+それぞれの語)を唱え、各チャクラが5元素に対応すること意識しながら、それぞれの内的な色を霊視します。


第5-6クリヤでは、「トリバンガムラリ」という経路を使います。
これは、サハスラーラからムーラダーラまでを左右に曲がる3つの曲線でつなぐ経路(サハスラーラから左側を通って中央を交差し、右肩で反転し、心臓のチャクラを通って、左乳首下で反転してムーラダーラへ)です。

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第5クリヤには、「アマントラク」、「サマントラク」、「トリバンガムラリ・ソカー」の3つの方法があります。

「アマントラク」は、ケーチャリー・ムドラーを伴いつつ行います。
まず、入息とともに、意識(エネルギー)をムーラダーラからビンドゥ・ヴィサルガまで上昇させます。
出息と共に、トリバンガムラリに沿って意識(エネルギー)をムーラダーラまで降ろします。

「サマントラク」は、上記を、マントラを唱えながら行います。
上昇時に各チャクラで、下降時にトリバンガムラリの各ポイントでマントラを唱えます。

「トリバンガムラリ・ソカー」は、上記に頭の動きを加えます。
下降時に、トリバンガムラリがある方向に頭を傾けます。


fig11.jpg

第6クリヤは、「マイクロ・ムーブメント・トリバンガムラリ」と表現され、ミクロなレベルでの運動を感じます。
プラーナを眉間にまで上昇させた後、ムーラダーラに見下ろして、そこに水平の円盤を視覚化して、そこに小さなトリバンガムラリの運動を感じます。

次に、同様に、順次、第2、第3という風に上のチャクラを対象にして、円盤を視覚化して運動を感じます。

次に、上記に方法に、ケーチャリー・ムドラーと、マントラを付け加えます。

以上の方法によって、クンダリニーの上昇を促します。


<ハリハラナンダのクリヤ・ヨガ>

ユクテスワのアシュラムを引き継いだパラマハンサ・ハリハラナンダの説くクリヤ・ヨガには、上記のラヒリ流の方法と異なるものがあります。
それが誰に起因するものか分かりませんが。

Ennio Nimisの資料をもとに、これを簡単に紹介します。

ハリハラナンダのクリヤ・ヨガの特徴は、頭上の第8チャクラを使うこと、チャクラを水平の円盤上に視覚化することなどです。


「クリヤ・プラーナヤーマ」は、入息時に頭頂に吸い入れ、出息時に、順次、各チャクラに移動していきます。
最初に、ムーラダーラに移動させることから初めて、順次、第2、第3チャクラと上のチャクラに移動先を変えていきます。
この時、各チャクラの音を聞き、光を霊視します。

第2クリヤは、まず、入息と共に、各チャクラでマントラを唱えながら、ムーラダーラから上昇させる方法です。
そして、ケーチャリー・ムドラーで、順に頭を傾けて、傾けた反対側(後→右→前→左)で光の下降を感じます。
最後に、出息と共に、エネルギーをムーラダーラまで下げます。

次に、上記の方法を、各チャクラの部分で、それぞれのマントラを唱えながら、各チャクラを水平の円盤状に視覚化して行います。

また、各チャクラの花弁にサンスクリットの文字を当てはめて視覚化します。

そして、ヨーニ・ムドラーを行いながら、ムーラダーラから順に、各チャクラに集中して、振動や光を霊視していきます。

第3クリヤは、頭部の前→左→後→右→前→中央にエネルギーを感じ、それぞれの場所のマントラを唱えます。


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第4クリヤは、まず、ムーラダーラのエネルギーが回転して中心に集まり、頭頂下部の円盤状の部分に上昇します。
同様に、順次、上の各チャクラのエネルギーを上昇させます。
これによって、クンダリニーの目覚めを引き起こします。

fig18.jpg


第5クリヤは、入息と共にムーラダーラから頭上の第8チャクラ(ブラフマ・ロカ)までプラーナを上昇させ、出息と共に、ムーラダーラに戻します。

第6クリヤは、第8チャクラから小脳まで光が下りて来て、松果体で光を感じる瞑想も行います。

第8チャクラについては、そこにチャクラがあるということよりも、プラーナを頭頂から出すことに意味がるのではないでしょうか。


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